TOP > 恋する(恋愛) > 「一人は寂しかった。二人では辛かった」孤独と向き合う女性をリアルに描いた加藤ミリヤ初の恋愛小説。

2015.04.10(Fri)

「一人は寂しかった。二人では辛かった」孤独と向き合う女性をリアルに描いた加藤ミリヤ初の恋愛小説。

『生まれたままの私を』 加藤ミリヤ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
恋する(恋愛)

『生まれたままの私を』

加藤ミリヤ

読みやすさ:
読みたい!
25

こんな人におすすめ!

・切なくて、胸がキュンとする小説を読みたい。
・金原ひとみの「蛇にピアス」みたいな虚無感が漂う恋愛小説が好き。
・芸能人の書いた小説なんてくだらないと思っている人(読んだ後に変わるはず!)。

あらすじ

・22歳のミクは画家として、女性のヌード作品を書き続けている。
・そんなミクは初めて開いた個展で服のデザイナーであるレイに出会う。
・ミクは不思議な魅力を持つレイに夢中になり、ミクとレイは徐々に親しくなっていく。
・そんな時、街で見つけたある少女との出会いをきっかけに、ミクは自分の絵をコンクールに出すことを決めるが・・・?
・自分の気持ちと向き合い、孤独と向き合うミクの姿を描いた、儚くて切ない恋愛小説。

加藤ミリヤの恋愛小説!先入観を捨てて感想を言うと、すごい良かった!

誰かを好きにも嫌いにもならないで生きていきたい。誰かを思えばその分自分がすり減っていく。もう誰にも絶望したりもしたくない。

女子から人気を誇るシンガーソングライター加藤ミリヤが初めて書いた恋愛小説です。
ちなみに、私は加藤ミリヤの名前は知っているけれど、何の曲を歌っているのかは知りません(笑)
どんな歌を歌っているとか、そういう先入観なしに読みました。

「生まれたままの私を」は、絵を書き続けきた非凡な人生を送る主人公のミクが主人公です。ミクが絵と向き合い続ける孤独の中でレイと出会い、平凡に恋に落ちていく様子を描いています。
恋の甘さよりは、恋の切なさや痛さが目立つ小説になってます。

ミクがレイを想う繊細で鋭い感覚は、普段の恋愛でも感じる共通点が多く、さすが女子から支持の高いシンガーソングライターですね!
加藤ミリヤの音楽を数曲きいて、共感できた人は絶対楽しめると思います。

そして、「生まれたままの私を」では、ミクが好きな人であるレイと向き合うだけでなく、自分の一部である絵を仕上げる苦悩も描かれています。

私はそんなの絶対無理だと嘆いていた。私は非凡な才能を持っていた筈だった。私はいつまでたっても世の中を混乱させられるような絵を未だに描けない。

思っていたほど才能なんてなかった。複雑だと信じていた私は別にたいしたことなんかなかった。ごく普通のただの女。私は普通じゃいけないのに。

自分の好きなことへ対するプライド、優越感。

好きなあまりに熱中して、独りよがりになっていく感覚。

まわりとの比較による、焦りと苛立ち。

売れっ子シンガソングライターとして、身近で生生しかったはずの感情を、正面から偽りなく真っ直ぐに描いています。自分の気持ちを見つめて真摯に書き上げたんだろうな、とひしひしと感じました。

著作者: StephaniePetraPhoto 著作者: StephaniePetraPhoto[/caption]

生まれたままの私をから分かる加藤ミリヤの表現とは?

出版業界も本が売れなくなって、知名度の高い人が本を出版する機会が増えてきたと思います。本を読むのか読まないのか分からないシンガソングライターが書いた小説なんて、出版社も作者もなんて軽薄だろう、と思うかもしれません(本が好きな人ほどそういう傾向が強いかも)

私もどちらかというと、芸能人が知名度だけで本を出版するのを冷やかに見るタイプでした。

私が今回「生まれたままの私を」を手に取ったきっかけは、モデルプレスのインタビュー記事がきっかけでした。

加藤ミリヤはインタビューに次のように答えています。

「小説でなければいけなかった。書かずにはいられなかった。私はこの物語を書く上で、一切の制御を捨てた」と話す加藤ミリヤ。これまで歌詞に書ききれなかった「誰かを愛しく思う気持ち、強すぎる哀しみ、抑えがたい激情」の全てを、1年の執筆期間をかけて大切に書き上げた。

引用元 モデルプレス

実際に読んでみると、確かに読み応えのある文章ではないかも知れないけれど、人の気持ちを揺さぶるような作品に仕上がっていると思いました。
一人でいる孤独、好きな人といても一人を強く実感してしまう孤独を、徹底的に見つめて書いています。

本書には「生まれたままの私を」「粉々になるまで」の二編が収録されていて、メインになる「生まれたままの私を」の主人公は、ヌードだけを描く女性画家です。
「粉々になるまで」でも、主人公の彼氏はミュージシャンなものの、主人公はカメラマンのアシスタントです。
作品の主人公を、一番書きやすいはずのシンガーソングライターの主人公にしなかった。
そんな姿勢からも、加藤ミリヤは自分の経験ではなく、自分の感じた孤独を表現しようとしたんだなと思いました。

加藤ミリヤが好きな人はもちろん、知らない人も感情移入できる恋愛小説になっているので、是非手にとってみてください!

みんなの口コミ、レビュー

どう考えても決して明るい話ではないのだけれど、妙に納得できてしまう。一人でいるときに感じる孤独と、誰かと一緒にいるにもかかわらず感じてしまう孤独は、きっと少し違う。
出典 読書メーター

加藤ミリヤってことで、ちょっと手に取りました。1時間もかからずに読了。自分を特別と思ってる女の子が主人公だけど、結局どこにでもいる人間とかわらない。みんなが抱えてる悩みを同じように悩んでる。そんな人間たちの物語。
出典 読書メーター

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
読みたい!
25
Comment