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2015.04.09(Thu)

人との思いのすれ違いを感じた人へ。20歳の新人作家が書いたリアルな高校生たち。

『今日、きみと息をする。』 武田綾乃

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恋する(恋愛)

『今日、きみと息をする。』

武田綾乃

読みやすさ:
読みたい!
14

こんな人におすすめ!

・片思いの恋愛小説が読みたい
・手持ちぶたさな高校時代を送った
・他人との気持ちのすれ違いを感じた

あらすじ

・廃部寸前の美術部に、ひょんな理由から一緒に入った三人の高校生。
けいとは絵は得意だけれど、性格は受動的で、物事への関心が低い。
夏美はスタイルも良く、中学生から派手で目立つ存在だった。
泰斗は運動神経抜群でイケメン、勉強と絵はとことんできない。
・夏美は中学生の時から、泰斗へ想いを寄せている。
・しかし、泰斗とけいとが付き合っているという噂が流れ始めて・・・?
・それぞれに錯綜する想いを描き切った作品。

現役女子大生の作家「武田綾乃」にデビュー作品

若干20歳で世間で話題の作品を出した”乙一”、”島本理生”、”綿矢りさ”、”朝井リョウ”に”武田綾乃”という新しい名前が加わりそうです。

2013年の日本ラブストーリー大賞で特別賞を受賞した武田綾乃は、現役女子大生です。
受賞時の年齢は20歳でした。

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武田綾乃は、何気ない日常での鬱憤した想いを表現するのが上手な作家です

有名作家石田衣良も、武田綾乃について次のように述べています。

雰囲気のある文章で、独特の感性の閃きが感じられる。この若い才能に、おおいに期待します

石田衣良の述べている通り、武田綾乃は「今日、きみと息をする」でもダークな感情を爽やかで繊細に表現しています。

朝井リョウの「桐島、部活やめるってよ」が好きな人は、是非手にとってみてください!
気に入ってもらえると思います☺

武田綾乃が人の想いのすれ違いを丁寧に描いた作品

けいとは夏美が、夏美は泰斗が、泰斗は同じ男であるけいとが好きという、ややこしい三角関係に陥っていた。

最初、この本のテーマはセクシャルマイノリティだと思っていました。

最近では渋谷での同性パートナーシップが認められるなど、セクシャルマイノリティがよく話題になってますし、私と同じように内容を推測する人は多いのではないかなと思います。

しかし、「今日、きみと息をする」を読んで感じるのは、同性愛でもなく、報われない恋愛でもありませんでした。
一番感じたテーマは、自分と他人の想いのズレです。

他人を理解することは難しいし、他人を認めることは難しいです。人とどう歩み寄っていくべきなんだろう。どういうスタンスで他人と付き合っていくべきなんだろう。

「今日、きみと息をする」は、同じ場面をそれぞれの視点で描き、人の想いの違いをとことん描いた作品です。

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「今日、きみと息をする」の夏美に共感できる

「この人は、私の気持ちを分かってくれるはず。」

そんな想いを他人に抱いたこと、一度はありませんか?
夏美は、まさに一方的な想いを表現した人物です。

夏美は中学生の時から、親友の親友だった泰斗へ想いを募らせていました。
夏美は、バスケ部で「身長が高いからバスケができる」と言われていた泰斗が、実は一人でこっそり練習している姿を見たのをきっかけに彼のことを想い続けます。

しかし、泰斗が高校でバスケをやめてしまうことをきっかけに、夏美の一途な想いが揺れ動きます。

無条件に尽くし続けるなんて、田村には無理だよ。いつか絶対に見返りが欲しくなる。

「見ているだけでいい」という理想と、「本当は見ているだけは嫌だ」という現実のすれ違い。

沖君はバスケが好きだ。それはアタシの中であまりに当たり前の事実で、それが揺らぐ瞬間が来るとは想像もしていなかった。脳が沸騰する。裏切られた。そう思った。多分、アタシは怒っていた。理想通りじゃない彼に。

一途でまっすぐな過去の泰斗と、怠惰でやる気のかけた今の泰斗。

空振りする想いの中で、夏美の想いはどうなるのか?

気になった人は、是非「今日、きみと息をする」を手に取ってみてください!

みんなの口コミ、レビュー

口コミではジャケ買いの声が目立ちました!新人ならではの文章の粗さの中に見える輝く表現に惹かれる人が多いように感じました。

うまくはないし、荒削りだけれど、なんというかこう……好きです。丁寧な書き込みはとってもおいしいけれど、瞬間的にものすごくきゅんとくる表現もすごくあった
出典 読書メーター

なんだろ、このきゅんきゅんは!と久しぶりに恋愛小説で、楽しく読めました。
出典 読書メーター

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