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2015.06.26(Fri)

【タブー小説】整形美人の行く先とは?百田尚樹の「モンスター」が面白すぎる!

『モンスター』 百田尚樹

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ハラハラする(ミステリー)

『モンスター』

百田尚樹

読みやすさ:
読みたい!
30

こんな人におすすめ!

・整形に興味がある
・東野圭吾が好き
・セルフティーが好き

あらすじ

田舎にオープンした高級フレンチのレストラン。
そこのオーナーの未帆は、その圧倒的な美貌で瞬く間で町中で有名になる。

しかし、未帆のその美貌は全て整形によるものだった。
未帆はかつて奇形とも言われるほど醜い女子だった。その見た目のせいで、家族や友人からは蔑まされて生きていた。高校時代にできた好きな人に再び会うために、故郷に帰ってくる未帆だったが、すでに体にはある異変が起こっていて・・・?

整形で人生を変えていく女の一生を描いた

綺麗になりたい!って女子の永遠のテーマですよね!
女優やモデルをみていて、「いいな~可愛いな~どうして自分はこんなんなんだろう」と思っちゃう時ありますよね??

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最近では美貌の経済学という海外の経済学者が、人と美貌が人生に与える経済格差についても論じています。
豊かな社会で、色んなものが飽和状態の中で美への需要は増えるばかり。アンチエイジングへの技術は後が付きませんよね。

いくら綺麗事を並べても、やっぱり可愛い女の子は絶対得している!もう世の中なんて大嫌い!!ふんだ!!

そんな時におすすめなのが、百田尚樹の「モンスター」です。

「モンスター」は障害者並みに醜い女の子が、整形でどんどん綺麗になっていく様子を書いた小説です。妄信的におかしくなっていく主人公にぞっとしたり、世間の変わっていく態度に美しさや幸せについて考えさせられます。

モンスターの作家の百田尚樹は脚本家のように構成重視の作品を書きます。東野圭吾が好きな人は気にいると思います。
ラストの一行で「はあああああ」とため息ついちゃいます。どんでん返しきますよ・・・。
では、今回は百田尚樹の「モンスター」の魅力を紹介します。

①奇形な顔面で生まれた女性がどんどん美しくなっていく

モンスターでは、醜い女性が美しくなった時に変化していくまわりの人々の反応がリアルに描かれています。

化粧をするのは当たり前だし、時としてはマナーにもなります。
しかし、整形は堂々と「私、整形しました!」て言いにくいですよね・・・。
だから、自分の顔って同じ人生でそうそう変化しないですが、モンスターを読んでいると整形の疑似体験をしている気分になります(笑)

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主人公が美しくなれば、なるほど通り過ぎる男とは視線が合い、ナンパは日常茶飯事。出会った男は皆、主人公を落とそうと躍起になる。
男だけでなく、女も優しくなっていきます。

私はこれからいろんな男に選ばれる。多くの男が私の美しさに惹かれ、近づいてくる。嬉しい、嬉しい、嬉しい!-私は心の中で、嬉しい、を何回も唱えた。

嫌われないように控えめに生きていた主人公も、綺麗になっていく度に堂々と積極的な性格になっていきます。
人の外見ってその人の性格にも影響を与えるんだなぁ・・・。
こわいなぁ・・・。

②現代の整形技術や、心理学からみた美人論が分かる

モンスターの見どころのひとつとして整形についての描写が細かいことです。
整形外科に取材したのだろうと確信させるほど、現代の整形事情が正確に書かれています。

「二重瞼と一重瞼って、どうして違いができるのですか?」
「簡単に言ってしまうと二重瞼は、瞼の皺ですよ」
「皺ーですか」
「そうです。二重瞼の人は、瞼を開閉する筋肉と皮膚が生まれつきつながっているため、瞼を開く時、皮膚が筋肉と一緒に持ち上げられて、そこに折れ込みができているので、二重瞼になります」
「すると一重の人は、それがつながっていないということですか」
先生はうなづいた。
何と言うことだ。たったそれだけのことで、生まれつき綺麗な目とそうでない目になるのだ。

二重瞼の手術から、そんなところも整形するの?みたいな部位まで、どういう種類があってどういう風に変化するのかまで、細かーく正確に書いています。

現代の整形事情について、今ってそうなっているだ!と感心しきりでした。

他にも、主人公の短大時代の心理学の教授が語る美人論も面白いです。
美しさと経済格差や、美しさへの認識とか、意外な事実を知れて面白いです。

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③綺麗になったら、幸せになれるのか?

モンスターは整形美人というタブーに切り込んだことで、美しさと幸せを書いた小説です。

美人は得だ!得だ!得だ!と言いまくっていますが、実際整形して美しくなったら幸せになれるのか?私がこんなに嫌な思いしているのは、可愛かったら全部解決するのに!と思ってても、綺麗になったら本当に解決するのか?

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主人公は顔で苛められ、好きな人にも告白できませんでした。努力をしてもその顔のせいで報われない・・・。だからこそ、美しくなろうとしました。
そして、主人公は整形で自信もお金も手に入れ、男からも女からもチヤホヤされるようになりましたが・・・・?

一度「もし、私が不細工な顔をしていたら、どうだった?」と聞いたことがある。
大橋は「そんなこと関係ないよ。ぼくが未帆に惹かれたのは最初は顔だけど、結局は性格に惹かれたんだから」と言った。
「私の性格のどんなところが好きなの?」
大橋は「賢くて、優しいところ」と言った。私は賢くもないし優しくもない。
でも、大橋がそう思っているならそれでいい。

主人公がずっと求めて続けていた愛を、結局手に入れることができるのか。待ち構えているラストの結末とは・・・?

文章量は多めですが、サクサクと読みえ終えてしまう面白さなので、是非読んでみてください!

みんなの口コミ、レビュー

作品のテーマである美について書かれるシーンの1つ1つが綺麗事が一切無く残酷だと思いました。しかし、逆にそこがすごく面白かったです。 顔の良し悪しで人生の優劣はあるのか?など表立って言えない事ばかり書いてありましたが、それについて、顔の黄金比や光背効果(ハロー効果)などの心理学などの学問も絡めて書いてあったので、こじつけや偏見とは思わず読むことが出来て楽しめました。
出典 読書メーター

人は見た目じゃない、中身だよと言いながらも心の中では皆少なからず感じてるであろうグレーな部分をテーマにしている。出典 読書メーター

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