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2015.05.29(Fri)

爽やかなスポーツ小説!色んな人に支えられているのを感じる青春小説

『あと少し、もう少し』 瀬尾まいこ

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元気になる

『あと少し、もう少し』

瀬尾まいこ

読みやすさ:
読みたい!
323

こんな人におすすめ!

・中高生で、運動系の部活に入っていた
・爽やかで元気のでる小説を読みたい
・友達や仲間の大切さを再確認したい

あらすじ

・舞台は中学の陸上部で、毎年県大会へ輩出する名門陸上部だった。
・しかし、陸上部の名門鬼コーチが異動となり、代わったのは美術の頼りない女教師だった
・陸上部の練習はだれてくるし、今のままでは駅伝に出場できるかどうかも危うい状況になる。
・部長の桝井は県大会のためにメンバーを募集するが・・・?
・寄せ集めのメンバーが一つになっていく様子を書いた青春スポーツ小説

スポーツ小説が苦手な人も!瀬尾まいこの最新文庫

どんどん暑くなっていく季節の中、胸がスカッとするような爽やかな青春小説が読みたいですね!
今回紹介するのは「幸福な食卓」などを書いた瀬尾まいこの最新文庫「あと少し、もう少し」です。

「あと少し、もう少し」は中学駅伝が舞台です。
私自身は、あんまりスポーツ小説って好きじゃないんです(笑)
例えば、小説に野球の試合状況を細かく描写されても、野球のルールが全く分からないので、さっと読み飛ばしてしまいます(笑)

サッカーや野球と違い、駅伝は悪く言えば地味です。そのルールのシンプルさ故に、駅伝を通した少年たちの繋がりや成長を感じることができます。

スポーツ小説の醍醐味である皆が一つの目標に向かって繋がっていく様子が描かれています。前向きになれる、爽やかな青春小説を読みたい人にお勧めです。

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駅伝の襷を繋いでいくように、想いをつなげていく主人公たちに元気をもらえる

中学校でやることに必要なのは、能力じゃない。嘘みたいだけど、努力だ。

「あと少し、もう少し」は駅伝で走るメンバーの想い、駅伝大会に至るまでの日々の回想で繋がっていく小説です。

いじめられっこだった設楽は、駅伝で自分の走る意味を探す。不良の大田は、できないを理由に何も挑戦できなかったのが、駅伝の練習で変わっていく。プライドの高く自意識過剰の渡部は、まわりに心を開いていく。駅伝メンバー6人のそれぞれの気持ちが書かれています。

高校に大学にその先の世界。進んで行けばいくほど、俺は俺の力に合った場所におさまってしまうだろう。力もないのに機会が与えられるのも、今だけだ。速さじゃなくて強さでもない。今、俺は俺だから走っている。

皆のために襷を繋ぐ陸上を通して、誰と繋がるかも大切、そして、さらに人とどう繋がっていくかも大切だと思いました。彼らは一人だったら、きっと変わることができなかった。人と人の繋がりって奇跡だなと改めて感じます。

また、作者の瀬尾まいこは作品にうまく抜け感を出すのが上手な作者です。人気作家だったら伊坂幸太郎さんとかも抜け感がうまいです。他の作者が書いたら陳腐になりそうなシーンでも、瀬尾まいこが書くとクスリと笑えて心地よく胸に残ります。なので、スポーツ青春小説にありがちな、熱血なわざとらしさ、白々しさが全くありません。本当に爽やかで、胸に響く切なさがあります。

感動のラストまで読む手が止まらない!

一番印象的だったのが、最後の6区を部長の桝井が走る場面です。明るく前向きにまとまらない皆をまとめていた、大人顔負けの桝井の心の中の辛さや葛藤が描かれいます。

中学学校最後の夏休み。おれは塾も行かず参考書も開かず、走ってばかりいた。大会にでられるのか不安だった。走れなくなっていく自分に、どんどん自身がなくなった。だけど、メンバーが増えるたび、胸が弾んだ。みんなが速くなる度、わくわくした。

君に届けの風早君みたいなキラキラ主人公な桝井の、駅伝に対するひたむきな想いは泣けます・・( ;∀;)!

駅伝のメンバーが県大会へを目指して襷を繋いでいく様子は、本当に感動します!中高運動部だった人は「あの頃に戻りたい」って懐かしくなると思いますよ。
興味がある人は、是非読んでみてください!
(2016年の箱根駅伝は一体どうなるんでしょうね・・・)

みんなの口コミ、レビュー

私たちは決して、決して、一人ではない。あなたがだれかを思うとき、だれかがあなたを思っている。必ず。そう信じて前進する姿は、なんと激しく崇高なのだろう。もし、そのがむしゃらな姿を嗤うひとがいるとしたら、そのひとは「生きる」ことを知らないのだ。
出典 三浦しをん(「あと少し、もう少し」の解説、思いと言葉は襷のように)

自分が「走る」のは全くといっていいほど好きじゃないんだけれど、小説で読む「走る」姿、「走る」人は、なんて魅力的なんだろう。しかも、駅伝大会。しかも、中学生の。友情とか、反発とか、まさかのほのかな恋心まで!胸キュン要素だらけです。出典 読書メーター

また良い青春小説に出会えました。寄せ集めのメンバーと頼りない顧問で目指す県大会。走っているときは1人で、どんなに辛くて苦しくても誰も助けてくれない。それでも、一緒に練習してきた仲間のことを思い、苦しさを乗り越え襷を繋げていく姿がさわやかでした。出典 読書メーター

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