『しょうがは熱い』
綿矢りさ
読みやすさ:




『しょうがは熱い』 綿矢りさ
・彼氏とマンネリ化している
・詩みたいな綺麗な文章が読みたい
・彼氏と同棲してて、モヤモヤしてる
・大学時代から付き合い、社会人になって同棲している奈世と弦。
・奈世が家で家事をする一方で、弦は会社でくたくたになって帰ってくる。
・どんどんすれ違う二人の様子をそれぞれの視点から書いている。
・二人が最終的に下した決断とは・・・?
飽きたり飽きられたりすることにおびえるなんて、贅沢すぎるね。冷めた愛情というのは、まだ腐っているわけではないのに、それほどまずい食べ物なのだろうか。ごみ箱にすぐ捨てちゃってもいいくらいに?
彼氏とは上手くいっているし、この生活がずっと続くと思っていた。
なのに、同棲し始めたら、ギクシャクし始めたかも。
好きな気持ちはずっと変わらないのに。
二人で生活し続けるのには、好きな気持ちだけでは足りない・・・?
そんな貴方の気持ちが全て入っている恋愛小説になってます。
今回紹介する「しょうがの味は熱い」の作家である綿矢りさは、17歳でその才能を発揮しデビュー。
最年少で芥川賞を受賞し、注目が集まりました。
出典 http://stardustsk.com/2880.html
見たことある人も多いのでは?
すごくかわいいですね。まさに才色兼備。
綿矢りさの最大の魅力は詩みたいに綺麗な文章です。女子からの支持率は圧倒的!
特別でただの日常の当たり前。
ふと見過ごした内に、思い出せないまま消えて行ってしまう一瞬。
まるで写真を撮り忘れたような一瞬。
そんな一瞬をその空気感さえも崩さないように丁寧に掬い上げて、明瞭に表現しています。
しょうがの味は熱いは、同棲するカップルのすれ違う悲喜劇を書いてます。
奈世と弦は一目惚れするように恋におち、同居します。全てがとんとん拍子。なのに、いざ同居し始め弦の会社が忙しくなりはじめて、二人の感覚がすれちがってきます・・・。
弦を生きがいだと言ったら、間違っていると言われた。もし私が弦から言われたら、一生忘れたくないような言葉なのに。
正直にぶつかり合うことが愛を疲れさせ、分かり合うためによく話し合うほど相手の考えが分からなくなる。
ずっと弦しか大切なものがない奈世と、奈世以外にも大切なものが増えてくる弦。
弦の帰りを待っている奈世と、仕事でへとへとになって帰ってくる弦。
弦にかまってほしい奈世と、疲れているからゆっくり寝たい弦。
奈世は、弦の愛情を繋ぎとめるために、必死に趣味や嗜好を合わせます。けど、人の気持ちは個人の努力では、どうにもならないんですよね~(ため息)付き合うためには、好き以外にも相性も大切だし、けど相性だけでも付き合えない。
奈世と弦の両方の視点から書いているので、二人の気持ちがすれ違っていく気持ちが分かります。
こんな風に感じたことがあった、と忘れたものを思い出すように読んでいけます。
最後には意外なラストが待ってます・・・・。
え?そうなるの??みたいな。綿矢りさの小説の中で、一番読みやすく共感できる内容になってます。
共感しすぎて苦しくなるかも・・・(笑)
結婚をゴールと考える主人公、スタートと考える彼。お互いの気持ちを何となくわかってはいるけれど譲歩できない二人。リアルで身近にいそうなカップルですが、父親の言うように相性がよくないのでしょう。お互いに好きなだけじゃ例え結婚したとしてもしんどいだけだと思います。
出典 読書メーター
心の中のモヤモヤが文章になっている!そうそう!と思いながら読んでいる私は奈世と同じ面倒臭い女です(笑)
出典 読書メーター
卒業という映画みたいなラストが印象
出典 読書メーター
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